氷点下30℃でパタゴニアを着る [全 般]
今年(2014年)は年明けそうそうに大寒波がアメリカ中西部を襲ったらしく、シカゴで氷点下25℃を記録したり、ナイアガラの滝が約70年ぶりに凍結したりと、記録的な寒さとなっているらしい。
現地はさぞかし大変だろうと想像するが、それでもパタゴニアをテストできるという意味において少しうらやましくもある。
私もボストンに住んでいたときは冬の寒さを楽しんだものだ。
車が埋まる大雪の中でガイドパーカーを着る。
さて、自然気象ではないが、日本でも氷点下30℃を体感できる場所がある。
名古屋市科学館5階の極寒ラボである。
マイナス30℃の部屋の中でオーロラ映像を見たり、南極の氷に触れたりすることができる体験施設である。一度に20人しか入室することができない上、人気が高いので、整理券を受け取るのに1時間ほど並ばなければならない(腰を下ろして券の配布時間を待つ)。
チャレンジに用いたのはフレキシフライヤージャケット。
玄人筋の評価の高い99年製の3層構造のハイスペックジャケットである。
中にはリバーシブルグリセードを着込んだ。
他の人は施設が準備している防寒具を借りて着込んでいる。
私は当然、防寒具は着込まずに(一応借りたが)、フレキシフライヤーで臨んだ。冷気が上がってこないようにきついパウダースカートをきっちり閉めた。袖口もベルクロをしめ、頭にはフードをかぶった。
まずはマイナス10℃の小部屋に入って身体をならす。
このくらいは余裕である。 志賀高原でマイナス12°を体感したことを思い出す。
5分弱経ってから、いよいよマイナス30℃の世界に足を踏み入れる。
ドアを開けた瞬間から冷気が漂ってくる。冷凍庫を開けたときのような感じだ。冷凍庫は-18℃位らしいのでそれもよりも寒い。
考えて見れば20℃の気温差はかなり大きい。20℃だと暑く感じるほどであるが、0℃は凍える寒さだ。
その温度差をマイナス10℃から下に向けて感じるのである。
やはり寒い。肌が出ているところから冷えていくと聞いていたが、ジーンズの裾からわずかに冷気が入ってくるのが分かる。ジーンズがしばらくすると固くなったようだ。
口にはマスクをしていたため、息が上に漏れ、しばらく経つと、水蒸気がまつげ、眉毛で凍り付いた。
肝心の上半身であるが、パウダースカート効果もあり、冷気が入り込むことはなかった。下半身の冷えが大きかったこともあってか、あまり寒さは感じない。さすがはフレキシフライヤーである。
しかし、せいぜい5分くらいがいいところだと思った。 そのくらい経つと体幹が寒さを感じ始める。そうなるとハードな運動時の着用を前提とするフレキシフライヤーではいかにも辛い。保温性重視のガイドパーカとかプリモダウンなどのビレイパーカが欲しくなるところだ。
ちょうど、体幹が冷えを感じはじめたあたりで別の扉が開き、最初とは別のマイナス10℃の部屋に移動した。20℃暖かくなるので寒いとは感じない。
そして、スタート地点に戻る。全行程20分弱の体験。
なかなか得がたい体験ができた。
次ぎのチャンスがあればTシャツにプリモダウンで体験してみたいと思う。
コメント 0