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パタゴニア 激安の理由 vol.3 [激安の理由等]

 ドル円為替レートは昨日2011年10月21日、史上最高値を2カ月ぶりに更新し、75円78銭を記録した。

Part.3では近時の円高が価格に与えた影響についてみていきたい。

 これについて私の頭に浮かんでいたのが新型トレントシェルジャケットの登場についてである。
 新型トレントシェルジャケットはこれまでのパタゴニアの常識を打ち破った。
 この製品が2009年に新登場する以前はパタゴニアの普及型低価格製品の価格はおおむね26,000円前後であった。現在も製造が続けられているロングラン製品レインシャドウジャケットがこれにあたる。
 これを6,000円も下回って、ハードシェル史上初めて2万円切りの19,500円で登場したのが新型トレントシェルなのである。2010年にはさらに値下げになり17,850円になっている。

      2009年 トレントシェルジャケット 19,500円
      2010年 トレントシェルジャケット 17,850円
      
 パタゴニア日本支社の近時の価格設定は90年代とは異なり、年毎に大きく価格を変動させない方針となっている。したがって、円高だからといって、一旦26000円程度で売り出したレインシャドウの価格をここに来て大きく下げるわけにはいかない。
 そこで、安価な新製品を出して円高効果を反映させたのではないのか。それが私の仮説であった。
 
 しかし、それは違っていた。


 その仮説が正しいというためには、トレントシェルジャケットが米国ではそれなりの価格設定(レインシャドーに近いレベルの)であるにもかかわらず、円高になってから発売された商品であるために日本では安い価格設定となった、といえなければならないわけだ。
 しかし調べてみるとこの製品は米国でもレインシャドウより格段に安かったのである。

      2009年 torrent shell jacket $119
      2010年 torrent shell jacket $119

                     (rain shadow は2009年に$150、2010年に$179である。)


 このtorrent shellの日米価格を比較してみると 

     2009年 日本価格÷米国価格=163.87円
     2010年 日本価格÷米国価格=150.00円
           となる(以下、「日本価格÷米国価格」を、「1ドル価格」という)。


 比較のために主要製品の1ドル価格の平均を調べてみたところ、2009年が148.74円、2010年が147.15円であった。
 したがって、むしろトレントシェルの日本での価格設定は他の商品と比べても高いことがわかったのである。
  

 つまり、仮説は完全に間違いだったのであり、とすると、足元の円高が価格に与える影響は何か、に対する答えにはならなかった。
 というわけで、Part.4では意地になって年度別の1ドル価格を調べてみることとする。
 
old torrentshell b5.jpg

旧型のトレントシェルジャケット。新型よりももっと価格が高かった。




 
 
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