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パタゴニア 激安の理由 vol.1 [激安の理由等]

今年(平成23年)の3月、ドル円の為替レートが80円の大台を割り込み、史上最高値の76円台代前半まで上昇した。このとき、ニュース等で繰り返し「16年前の円高水準を超えた」との報道がなされていた。
その16年前、すなわち1995年の4月、ドル円為替レートは当時の史上最高値の1ドル79.75円をたたいていた。
1990年初頭には160円程度であったことから、実に5年間で円の価値は倍にまで高騰していたのだった。その後、円安へのゆり戻しがあり1998年秋に140円台まで下落している。

つまり、1995年までは激しい円高、以降は激しい円安だったのである。

パタゴニアはアメリカからの輸入品であるから、当然大きく為替レートの影響を受けた。その結果、
1995年、日本でのパタゴニア価格は激安となった。

具体的に単一製品の価格の動きで見てみよう。
パタゴニアのロングラン製品、ストームジャケットが最適である。
      
      1990年 ストームジャケット 50,000円
      1991年 不明
      1992年 ストームジャケット 39,500円
      1993年 ストームジャケット 37,000円
      1994年 ストームジャケット 37,000円
      1995年 ストームジャケット 32,000円←最安値
      1996年 ストームジャケット 33,000円
      1997年 ストームジャケット 36,000円
      1998年 ストームジャケット 36,000円

 為替レートにそって、きれいに1995年まで下落が続き、以降少しづつ値上げされているのが分かる。
 
 95年にはあのスーパーアルパインですら43,000円で手に入れることができたのだ。

      1993年 スーパーアルパイン 57,000円
      1994年 スーパーアルパイン 52,000円
      1995年 スーパーアルパイン 43,000円

 こうみると95年にたくさん買っておけばよかったと後で思うのだが、仕方がない。為替レートがどちらに振れるは全く分からないからである。
 少し以前のことになったが、私は2008年3月のベアスターンズ、同年9月のリーマンブラザーズ等の大手米国金融機関の各破綻をきっかけとする未曾有のリスク回避志向の高まりによる急激な円高により、高級ドイツ車を優に新車で買えるくらいまで為替で負けこんだことがある。

 パタゴニアとは関係ない話で恐縮だが、生きていると時としてこのように思惑と反対に事が進むことがある。
 そのような場合にはどう対処すべきか。
  私は当初の思惑を忘れて頭を切り替えるといいと思っている。
  「どのように金が動こうとも、いかに心の平静を保っていられるかを楽しむのがばくちの本質」と龍角散の元社長藤井康男氏が述べているが、マネーゲームについてもそのように考えるのも一つだ。
  私は、マネーゲームに限らないが、何かをやってみて負けたらそれを思い出にすればいいと思っている。勝負をしなければ何も得るものはないが、勝負すれば負けてもその分感じたものがあるし、経験を得ている。負けた人だからこそ言えることがある。

  恋愛はその最たるものだろう。アプローチに失敗し振られたことも糧となる。

  時がたつにつれ負けの痛みは和らいでいき、負けによって得たものがかけがえのない自分の資産と感じられるようになってくる。
  負けや損や無駄を積んできた人の方がそうでない人よりも強いのだ。
 
  Part.2では、上記の値段の動きが為替レートによるものであることにつき、念のため検証を行うこととする。


IMG_1454b.jpg

1996年製ストーム。96年~05年のストームは美しい。















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