オークションの勧め [雑感その他]
コモンスレッズ イニシアティブ
パタゴニアでは様々な運動を展開しているが、コモンスレッズ・イニシアティブはその一つだ。
この一義的には理解困難な名称が付された運動は、要するに1つの製品を長く使って無駄を防ごう、というものだ。
パタゴニアは長く使える製品を製造し、消費者は1つの製品を長く使って不要な製品を購入しないようにする。その結果、無駄な製造が省け、資源の無駄遣いを防げるという考え方だ。
新しい製品をどんどん買ってもらったほうが営利企業としては儲かっていいのだが、利潤追求よりも資源の無駄遣いによる環境へのダメージ防止を優先させたということだ。環境保護と営利目的という相矛盾する要請を含む問題につき、悩みに悩んだ末に行き着いたパタゴニアの答えなのだろうと思う。
私は必要以上に多数のパタゴニア製品を所有しているわけで、パタゴニアの姿勢には真っ向から反していることになる。好きになればなるほど、持てば持つほどパタゴニアの考えから離れていくというのは皮肉なものだ。
ところで、コモンスレッズイニシアティブはその内容に「REUSE」を含んでいる。
製品の所有者がそれに飽きたり、スポーツをやめたりして製品が要らなくなったときにはパタゴニアはオークションで売ることを勧めている。それがリユースだ。
オークションで売買が行われると会社の売上は減少するはずであり、普通は困ると思うのだが、パタゴニアはここでも地球環境を優先させるわけだ。最近ではパタゴニアのウェブサイトからヤフーオークション等のオークションサイトに直接リンクが貼られているから、本気で推奨しようとしていることが分かる。
オークションで破れたパタゴニア製品を買ったならば、堂々と「オークションで買った」と言ってパタゴニアにリペアを頼めばいいのだ。中古で買ったからといって恥ずかしがることはない。それがまさにパタゴニアが望んでいることなのだ。
実にすがすがしい企業姿勢だと思う。
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