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「ストレッチ ~」の盛衰 [全 般]

stretch triolet b2.jpg

 初代「ストレッチ」製品のストレッチトリオレットジャケット。


 若い人は知らないと思うが、1990年ころに「ファジー家電」というのがはやった。「ファジー」とはあいまいな、などという意味であり、ファジー家電とは臨機応変にベストの方法で作業をしてくれる家電をさした。たとえばファジー洗濯機であれば、洗濯物の量、素材などから勝手に水の量とか、洗濯方法等を選択してくれるようなイメージだ。ファジー炊飯器などもあった。
 ファジー家電という言葉がなくなって久しいが、果たしてファジー家電が当たり前になったのでことさらにそう言わなくなったのか、それともファジーはよくないということで、とりやめになったのか、それがどちらなのかよく分からない。
 こういった趣旨の新聞コラムがしばらく前にあって興味深く読んだ。

 さて、一時期、パタゴニアでは多くの製品名の頭に「ストレッチ」という言葉がついていた。ところが、2011年秋製品では、少し前まで残っていたストレッチアセントジャケットも消滅し、ストレッチを冠した製品が絶滅した。パタゴニア製品はストレッチをやめたのか、それともストレッチではあるが、そのことをことさらに強調しなくなっただけか、どちらだろうか。

 ストレッチという言葉がはじめて用いられたパタゴニア製品は1998年製の「ストレッチトリオレットジャケット」だ。前年まで「トリオレットジャケット」という製品があったところ、新たに脇の下周りにストレッチパネルを用いたことから名づけられた。
その後、パタゴニアでは純粋な新製品にもこのワードを用いるようになった。たとえば、有名なストレッチエレメントは登場当初からこの名称であり、それ以前に「エレメントジャケット」というのはなかった。

 2002年には実に7種類もストレッチワードを冠したジャケットがあった。ストレッチバウンダリー、ストレッチエレメント、ストレッチグラビティ、ストレッチクルーシェル、ストレッチスピードアセント、ストレッチベロシティ、ストレッチゼファーの7種である。いずれもわきの下部分に伸縮性の優れたストレッチ素材が用いられていた。
 以降、激減し、2011年秋にストレッチを冠したジャケットはストレッチアセントジャケットだけとなり、それも冬にはなくなってついに絶滅するに至った。

 そこで、現在、販売されているジャケットもストレッチパネルを用いているのかどうかであるが、「ストレッチ」を冠していないスーパーアルパイン、スーパープルマ、トリオレットもしっかりと脇の下周りにストレッチパネルを用いられている。説明文では「脇の下に施したパネルにより腕を上げても身頃がずり上がらない」との説明がされている。
  
 以上から、冒頭の疑問の答えは、ストレッチではあるが、そのことをことさらに強調しなくなったということになる。

 かくして2002年に栄華を極めた「ストレッチ」名称は消滅した。

 なお、最後に残っていたストレッチアセントジャケットは、「2.5層構造のストレッチ織りポリエステル製シェル」が用いられており、ポリエステルの織り方(?)がストレッチ織であったことから「ストレッチ」が用いられていたようだ。

 




















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